2022年6月16日(木):一生懸命一生懸命、ラプラス・ダークネス様のアーカイブを見てる

事実として、世界に対する真摯さは人を不幸にし、世界に対する軽薄さは人を幸福にする。

何故なら、世界に対する真摯さが幸せにするのは他者であり、自己ではないからである。自己を幸せにするのは、他者の慈悲であり、他者の寛容であり、他者の徳性であるのは、明らかだろう。

つまるところ、自己はモラルを持たず、他者がモラルを持つならば、恩恵のみ享受することが出来る。故に、世界に対する軽薄さは、幸福のみをもたらす。

真摯さが軽薄さを利するという矛盾は、気分がいいものではない。よって、古来、この矛盾は「善き行いをした者は天国に行き、悪き行いをした者は地獄に行く」という幻想により解決された。

されど、今は神なき時代。

我々は、どうして真摯さを貫けるのだろうか。

それは、そう、やはり、人間の美しさ故と思う。天国に行くためではない、本当に無意味な、善性による真摯さは、他のどの生物にも似ない、最も人間的な姿である。

軽薄さは罰せられるという神話は終焉を迎えた。真摯に生きれば報われるという、全く非合理なプロパガンダも捨て去るべきなのだ。

真摯に生きても報われることなどない。しかし、真摯さは、確かに美しい。ただ、それだけのことである。